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就業規則に関するルールについて

 就業規則作成のルール、周知手続きの具体的な方法、労働基準監督署への届出手続など、就業規則に関わるルールを教えて下さい。


 就業規則に関わるルールは労働基準法、同法規則、労働契約法などの複数の法令において規定されています。これら法所定の手続きが不十分だと、行政からの指導や行政罰の対象となることもありますし、作成・変更した就業規則が労働契約の内容にはならず、思わぬ労務管理上のリスクが生じることになりかねません。
 以下では、これらのルールの内容や具体的にとるべき手続きなどの主要な点についてご説明いたします。

田畑 優介

本稿執筆者田畑 優介 (たばた ゆうすけ)
法律事務所 ASCOPE所属弁護士

  • 【ポイント】

  • ①就業規則は作成し、届出を行う必要がある。

  • ②作成・変更した就業規則は、法所定の方法で周知する必要がある。

  • ③過半数代表者の選出にはルールがある。

  • ④就業規則の届出に必要な添付書類がある。

  • ⑤過半数代表者の意見書に拘束力はないが、不利益変更の有効性判断に関わる場合がある。

  • ⑥就業規則の届出には管轄があるが、本社の一括届出も可能である。

  • ⑦外国人の雇用が多い場合、就業規則は翻訳することが望ましい。

〈目次〉
1.就業規則の作成と届出について
 (1) 就業規則の作成義務
 (2) 就業規則の届出義務
2.作成した就業規則の「周知」の方法について
3.過半数代表者の選出方法について
 (1) 過半数代表者の要件
 (2) 具体的な選出方法
4.過半数代表者の意見書が就業規則に与える効力について
 (1) 過半数代表者への意見聴取
 (2) 意見書に反対意見が付された場合の就業規則の効力
5.届出の添付書類について
6.就業規則を届け出る管轄について
7.就業規則の言語について




1.就業規則の作成と届出について
 (1) 就業規則の作成義務
 就業規則の作成に関するルールは、労働基準法89条に規定があります。同条は、「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、…就業規則を作成し・・・なければならない」と規定しています。ここにいう「労働者」の中には、アルバイトやパートなどの非正規社員も含まれ、事業場単位でその人数が把握されます。事業場単位とは、複数の事業場でそれぞれ常時10人以上の労働者を雇用している場合には、それぞれの事業場で就業規則を作成する必要があるという意味です。なお、複数の事業場で同一の就業規則を適用する場合に、一定の条件を満たせば、事業所毎ではなく本社において一括届出を行うことができることについて、下記6を参照してください。
 同条の就業規則作成義務に違反した場合には、30万円以下の罰金に処せられる場合がありますので、注意が必要です。
 なお、事業場の労働者が常時10人未満の場合は作成義務が課されることはありませんが、一人でも労働者を雇用する場合には労務管理の観点から就業規則を作成しておくことをお勧めいたします。

 (2) 就業規則の届出義務
 作成・変更した就業規則は、所轄の労働基準監督署へ届け出る必要があります(同法89条、同法規則49条1項)。これに違反した場合、上記の作成義務違反と同様に30万円以下の罰金に処せられる場合がありますので注意が必要です。
 なお、後に述べるとおり、就業規則の届出を行うこと自体は就業規則の効力要件とは解されていませんが、就業規則変更の「合理性」判断の一事情にはなりえますので、法所定の方法により届出を行う必要があります。



2.作成した就業規則の「周知」の方法について
 作成した就業規則は、労働者に周知しなければなりません(同法106条1項、労働契約法10条)。この手続を怠ると、労働基準法上の罰則があることに加えて、作成・変更した就業規則の内容が労働者に対して効力を及ばさない(労働契約の内容とならない)ことにもなりかねません。したがって、労務管理の観点からも法所定の周知手続きをとる必要があります。
 具体的な周知方法として、労働基準法上の「周知」は同法規則52条の2に定められており、以下の手続きが要求されています。


 ① 常時各作業場の見えやすい場所へ掲示し、又は備え付ける方法

 ② 書面を労働者に交付する方法

 ② 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する方法。


 なお、作成・変更した就業規則が労働契約の内容となるか否かという観点からは、上記以外の周知の方法でも行政解釈上「労働者が必要なときに容易に確認できる状態」にあれば労働契約法上の「周知」の要件は満たすものとされています(平成11年3月31日基発169号)。もっとも、裁判例ではこの「周知」の有無について慎重に判断する傾向にありますので、労務管理上、実際に労働者が見ようと思えばいつでも見ることのできる状態に置くことが肝要といえます。



3.過半数代表者の選出方法について
 (1) 過半数代表者の要件
 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければなりません(労働基準法90条1項)。いわゆる意見聴取手続きと呼ばれるものですが、過半数労働組合があればその労働組合に意見聴取すれば足ります。一方、そのような労働組合がない場合には、過半数代表者を選出のうえその意見を聴かなければなりません。
 このような過半数代表者の要件は、労働基準規則6条の2第1項に規定されています。具体的に、過半数代表者は以下のいずれも充足する者である必要があります。


 ① 労働基準法41条2号に規定する管理監督者に該当しないこと

 ② 労働基準法に規定する協定等を行う者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の手続きにより選出された者であり、使用者の意思に基づき選出されたものでないこと


 (2) 具体的な選出方法
 上記要件を満たす過半数代表者を選出する方法としては、以下の方法が考えられます。


 ① 投票、挙手による方法(労働基準規則6条の2第1項)の他、労働者の話合い、持回り決議等民主的な手続き(平成11年3月31日基発169号)により過半数代表者に信任する者を選出する方法

 ② メールや社内イントラネット等を利用し、投票権のあるすべての労働者を対象とした投票等のシステムにより過半数代表者に信任する者を選出する方法


 いずれの方法にしても、過半数代表者の選出方法は、労働者の過半数が代表となる者の選任を支持していることが明確となる民主的な手続きにより行うことが必要であることは変わりありません。



4.過半数代表者の意見書が就業規則に与える効力について
 (1) 過半数代表者への意見聴取
 労働基準法90条1項は上記過半数代表者の意見聴取を義務付けるとともに、聴取した意見は労働基準監督署長へ届け出なければならないとしています(同法90条2項)。
 では、仮に意見書に反対意見が付された場合、届け出る就業規則の効力に影響を与えるのでしょうか。

 (2) 意見書に反対意見が付された場合の就業規則の効力
 この点、意見聴取手続は就業規則の作成・変更にあたって労働者の意見を聴取することを目的としているのであり、過半数代表者との協議や合意を取り付けることまでは要求していないものと解されています(昭和25年3月15日基収525号)。裁判例でも、「(就業)規則変更に付き組合が同意せず反対意見を附した場合であっても、其の意見が拘束力を有するものでな(い)」(括弧内筆者)と判示しているものがあります(岡山地決昭和25年4月14日労民集1-2-273)。
 したがって、使用者としては、組合や過半数代表者から協議を求められたり反対意見を述べられたりしたとしても、同手続きとの関係では単に意見を聴取すれば足りるということになります。ただし、就業規則の拘束力を検討する場面において「合理的」な労働条件を定めていること(労働契約法10条)の考慮要素としては労働組合等の協議状況や合意の有無が加味されることはありますし、労働組合から就業規則に規定した労働条件について団体交渉を求められた場合にこれに応じる必要があることには注意が必要です。



5.届出の添付書類について
 作成・変更した就業規則は所轄の労働基準監督署へ届け出る必要があります。届出に際して必要となる添付書類は、以下のとおりです。

(添付書類)

 ① 作成・変更した就業規則2部(提出用及び保管用)

 ② 過半数代表者の意見書

 ③ 届出書(作成届又は変更届)

 ④ 賃金規程等の別規程があれば当該規程


6.就業規則の届出先について
 就業規則は、事業所ごとにその管轄する労働基準監督署へ郵送又は窓口へ持参する方法により届け出る必要があります。特に、労働者10名以上の事業所が複数存在する企業においては、その事業所毎に就業規則を作成し、各事業所を管轄する労働基準監督署に届け出るのが原則となります。
 それぞれの事業所の管轄となる労働基準監督署については、厚生労働省ホームページ「全国労働基準監督署の所在案内」を参照いただければ確認ができます。
 なお、以下の要件を満たすときには、複数の事業場で同一の就業規則を適用する場合において、事業所毎ではなく本社において一括届出を行うことも可能となります(平成15年2月15日基発0215001号)。


 ① 本社の所轄労働基準監督署に届け出る際、本社を含め事業場の数に応じた必要部数の就業規則を提出すること

 ② 各事業場の名称、所在地及び所轄労働基準監督署長名並びに労働基準法89条各号に定める事項について当該企業の本社で作成された就業規則と各事業場の就業規則が同一内容のものである旨が附記されていること

 ③ 労働基準法90条2項に定める書面については、その正本が事業場毎の就業規則に添付されていること



7.就業規則の言語について
 雇用する労働者のうち外国人労働者が占める割合が大きい企業も多いかと思います。外国人労働者も日本で働く以上は労働基準法が適用されますので、当然就業規則の内容を周知する必要があります。
 法は就業規則の言語について特段の規定はしていませんので、外国人の労働者を雇用したからといって必ずしも外国人労働者用の就業規則を作成したり日本語就業規則を当該外国人の母国語で翻訳したりする法的義務まではありません。もっとも、上記のとおり労働基準法及び労働契約法は就業規則の周知を要求していますし、厚生労働省ホームページ「外国人の雇用」でも、外国人の労働者雇用管理にあたって労働条件の明示は母国語等により明示することが努力義務だとしています。また、労働者への実質的周知が就業規則の拘束力の要件とされていますので、外国人労働者の割合が大きい事業所においては、後に就業規則の周知が十分でなかったとの反論を許さないといった観点からも、就業規則の内容を説明することや、できれば英語等の言語による翻訳を行っておくことが望ましいといえます。

【弁護士への相談について】
 ここまで、就業規則の作成等のルールを概説しました。
 基本的なルールやとるべき手続きについてはご理解いただけたかと思います。
 しかし、就業規則の作成や変更については、ここには記載していない注意点や労務管理上のリスクがございます。
 そのため、弁護士への相談は実際に法的トラブルが生じてからではなく、日頃のリスク対応が重要であるということを念頭において、法的紛争の専門家である弁護士に事前にご相談ください。


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