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年次有給休暇と時季変更権について

 当社では年次有給休暇制度を従業員に十分に利用させるべくお盆休みの時季に有休休暇を当てて夏期休暇とする制度を導入することを考えています。この場合にどのような手続きをすればよろしいでしょうか。
 また、昨今の働き方改革によって会社側が時季指定をできるようになったと聞いています。この場合には、会社側が従業員の休む日にちを自由に決められるのでしょうか。


 会社は有給休暇のうち5日を超える部分については労使協定を締結することにより、従業員に時季を指定して年休を与えることができます。これはいわゆる計画年休と呼ばれる制度になります。
 また働き方改革による一連の法改正により、会社は、10日間以上の年休権を有する労働者について、従業員自身の時季指定及び計画年休により取得した年休が5日間に満たない場合には、基準日から1年以内に年休日を指定して付与しなければならないことになりました。したがって、会社側が従業員の年休取得日を自由に指定できるようになったということではありません。また、当該義務に違反すると、労基法違反(120条)となり刑罰の対象となりうることに注意してください。

小林 一樹

本稿執筆者小林 一樹(こばやし かずき)
法律事務所 ASCOPE所属弁護士

  • 【ポイント】

  • ・会社は労使協定を締結することで、一定日数は年休の時季指定をすることができる。

  • ・この仕組みを一般的には「計画年休」という。

  • ・計画年休の日数は年休のうち5日間を超える部分に限られる。

  • ・会社は10日以上の年休が付与された従業員のうち、その年休が付与された1年間において年休の取得が5日間に満たない者に対して、年休の時季指定を行う義務がある。

〈目次〉
1 計画年休制度について
 (1) 「年次有給休暇」について
 (2) 「計画年休」制度を利用するための手続き
2 会社による時季指定義務について




1 計画年休とは
(1) 「年次有給休暇」について
 有給休暇には、法律上付与することが義務づけられている有給休暇として「年次有給休暇」(以下「年休」といいます。)(労基法39条1項)というものがあります。この年休の基本的な内容については別の記事で説明していますので、ここでは詳細を省きますが、具体的に何日間付与されるかという点については、雇い入れの日を起算点として6か月継続勤務し、全労働日の8割以上を勤務した従業員に対して10労働日の年休が付与され、その後勤続年数に応じて付与される年休日数が増加する仕組みとなっています(労働基準法39条1項、2項参照)。なお、週4日以内を労働日数とする労働者等については、その労働日数や所定労働時間に応じて付与される年休日数が異なる場合があるため注意してください。

(2) 「計画年休」制度を利用するための手続き
 この年休のうち、一定の日数について会社側が時季を指定し、従業員に年休を取得させることができる制度があります。それが「計画年休」(労基法39条6項)と呼ばれる制度です。
 計画年休を設定するには、労使協定を書面で締結することが必要になります。労使協定とは、会社と労働者との間で締結される書面による協定を意味します。
 なお、この場合、計画年休で指定できる日数は、年休日数のうち5日を超える部分になります。つまり、年休が10日間付与された従業員を基準とすると、この10日間のうち5日間に限って計画年休を設定することができるということです。
 したがって、上記質問事項に対する回答としては、会社は、お盆休みの時季に夏期休暇(8/13~8/15の3日間)として年次有給休暇を与えるとする労使協定を締結することで、年休の時季を指定することができるということになります。



2 会社による時季指定義務について
 従来、会社側としては、従業員が年休を取らない場合に、従業員に対し積極的に年休を取得させる義務まではありませんでした。しかし、それでは会社によっては全く年休取得が進まず、年休制度がほとんど意味をなしていないという状況も散見されていました。
 そこで、働き方改革における一連の法改正により、一定日数の年休取得がなされていない労働者に対し会社が年休の時季指定を行わなければならないということになったのです。この会社が年休の時季指定をしなければならない場合とは、基準日に付与される年休の日数が10労働日以上である労働者において、基準日から1年以内の期間に前述した計画年休や労働者本人の時季指定による年休取得の日数が5日に満たない場合を指します。例えば、夏期休暇で3日間の年休の消化ができている場合には残りの2日間について時季指定を行う義務があるということです。つまり、10日の年休取得権を有している従業員には、最低でも5日間の有給休暇を与えましょうというのが、会社の時季指定義務の内容になります。
 ここで注意することは、会社に時季を指定する義務があるといっても、時季指定を行うにあたり当該労働者の意見を聴取する必要があり、またその聴取した内容を尊重する必要があるということです。会社側が一方的に「この日に有給を取って休みなさい。」というだけでは当該義務を果たしたことにならないので注意してください。
 また、この時季指定義務に違反した場合には、労基法違反(労基法120条1項)となり、刑罰(30万円以下の罰金)の対象となりうることにも留意してください。

【弁護士への相談について】
 以上が計画年休制度及び会社の時季指定義務の説明になります。法律は社会情勢の変化に伴って刻々と変化するものですが、労働問題は社会の影響を受けやすいため特にその傾向が顕著といえます。先に述べた会社の時季指定義務などがまさにそうですが、このような法改正に伴って使用者側に義務が発生することも少なくありません。
 しかし、法改正がなされたことを知らない経営者も多く、経営者の知らないうちに会社が労働法違反の状況になってしまっているということも少なくありません。また、労働法違反をしてしまったという状況は会社の信用に重要な影響を及ぼすため、知らないでは済まない場合も多くあります。
 そのため、紛争が発生してから弁護士を利用するというのではなく、日々の労務管理から弁護士を利用するということが会社にとって大変有用なものなのです。また、弁護士を利用する際には、労働の分野は複数の法律が交錯する専門分野ですので、労務問題については、ぜひ労働問題に詳しい弁護士にご相談ください。


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