統括弁護士座談会
QUESTION / 01
担当している業務分野・担当事件について
司会
本日は、ASCOPEの労働問題を牽引する統括弁護士の舩津丸先生・磯田先生・髙橋先生の3名にご出席をいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
まずは皆さんに「担当している業務分野や事件の特徴」についてお話しいただきます。普段どのような分野を中心に担当されているのか、伺っていきたいと思います。
舩津丸
私は、経営者側の立場に立って「団体交渉対応」を多く担当しています。ユニオン側の主張や戦略はかなり多様なので、ある意味「ライブ感」がありますね。交渉の場面では、依頼企業の経営判断と法的な妥当性の両方を押さえて戦略を立てる必要があるため、法律だけでなくコミュニケーションや交渉術もフル稼働します。
学生さんからは「対応が大変そうだ」と言われることもありますが、実際は冷静に戦略を練れば勝ち筋を見つけられる分野で、意外と面白くやりがいのある業務分野だと思います。
磯田
私も、主に 労働事件(企業側) を中心に扱っています。内容としては、解雇・ハラスメント・メンタル不調・労災対応はもちろん、最近は 労務リスクの予防 のための人事労務相談の割合も増えています。ASCOPEでは、数十名規模の企業から、事業展開の大きい企業まで、幅広い業種・規模のご相談をいただいており、さまざまな現場に触れることができます。
実務的には「いかに会社を守りながら、従業員との関係性を壊さないか」という調整も必要になるので、法的な観点だけでない多角的な視点が求められます。
髙橋
舩津丸先生や磯田先生が触れられた以外の対応では、労働審判・訴訟を年間でかなり担当しています。ASCOPEは労働問題に主軸を置いているため、1〜2年目からでも 「事実認定や法的主張の構築、交渉戦略など、弁護士として実務能力を総合的に鍛えられる事件」 に携わりやすい点が特徴ですね。
企業側の労働事件は、事実関係も複雑で、社内規程や組織体制の理解まで必要になるので、自然と「企業法務全体の理解」も育ちます。事件処理の深みはかなりあり、毎回「難しいが、その分やりがいがある」ことも実感しています。
司会
続いて、ASCOPEならではの事件の規模感や特徴を教えてください。
舩津丸
日常的な労務相談から数千万単位のハイリスク事件まで、本当に振れ幅が大きいのが特徴です。
中でもASCOPEの魅力は、「難易度の高い事件に若手も自然に入れる構造」だと思っています。大手企業の調査事件や訴訟も、若手の意見がしっかり求められます。
磯田
団体交渉も同じで、1年目から想定問答集の作成などの事前準備から交渉の場への同席まで一貫して経験できます。事件数も多く、依頼スパンも短いため、「数をこなす中で圧倒的に成長できる環境」だと思っています。
髙橋
労働審判や訴訟の対応をしていくなかで、ASCOPEでは自然と「生きた判例の知見」が事務所内に蓄積されています。労働事件は、個別事件としての深さに加えて、発生する頻度も多いため、若手でも着実に経験を積むことができ、実務感覚を鍛えることができる分野だと感じています。
また、こうした現場での知見の蓄積が結実し、2025年7月9日には弊所から『事由別・解雇有効の裁判例リファレンス』 を出版しました。
解雇や雇止めなど雇用関係終了に関する紛争について、終了事由別に争点となるポイントを整理し、使用者側に有利な判断がされた裁判例を一覧化したもので、迅速に訴訟戦略を検討できる実務書として、多くの企業担当者・弁護士の方々に活用いただいています。
司会
ASCOPEは企業(経営者側)に特化した事務所ですが、特にその点についてはいかがですか?
舩津丸
一番大きいのは、「経営判断と法務のバランス感覚」が身につくことですね。
単に「違法かどうか」ではなく、「会社の未来にとって最適解は何か」を常に考えます。法務・人事労務・経営戦略が自然に結びついていくので、企業法務の本質を肌で理解できるようになります。
磯田
企業側だからこそ、「負けないための仕組みづくり」まで携われるのも魅力です。「訴訟対応だけの弁護士」ではなく、就業規則のアップデート、ハラスメント調査、採用・評価制度のアドバイスなど、企業活動を丸ごとサポートする視点が身に付きます。
髙橋
もう一つは、企業側事件は往々にして「継続的な関係」になるという点です。例えば、裁判が終わっても、「また相談したい」と言っていただけるところでしょうか。
法律家として「頼られている実感」が強く、やりがいがあります。新人や中途入所の方でも、早い段階からクライアントに名前を覚えていただけるのもASCOPEの特徴かな、と思っています。
司会
最後に、実務の面白さや難易度についても一言お願いします。
舩津丸
面白さは、「法律だけでは解けない事件」が多いことです。
事実関係、企業の文化、従業員の心理、社会的な潮流など、あらゆる要素を総合して解決策を練り上げる。その総合力が求められるのが難しくもあり、最大の醍醐味でもありますね。
磯田
団体交渉は本当に難しいですが、準備し尽くせば結果はついてくるので、努力が最も可視化される分野でもあると思います。
髙橋
労働審判や訴訟は、若手でも「自分が主担当」として対応を任される場面が多く、責任は大きい分、やりがいの強い分野だと感じています。一つひとつの判断が結果に直結するので、「深く考え抜く力」と「スピード感」の両方が自然と鍛えられます。
また労働事件は、人事制度や社内規程、組織運営とも密接に関わるため、対応を進める中で 会社がどのように意思決定し、動いているのかを実務の現場で理解できる のが大きな学びです。
企業の現場感覚に触れながら、自分の視野や考え方が広がっていく実感があります。
司会
ありがとうございました。ASCOPEの業務は、企業の未来を左右する「責任」と、それを上回る「成長の機会」が両立していると改めて感じました。
次回は「配点方法・チーム連携」について伺っていきます。
QUESTION / 02
事件の「配点方法」とチーム連携について
司会
就活生の皆さんが特に気にされる「事件配点(割り振り)とチーム連携」についてお伺いします。まず、事件配点の基本方針から教えてください。
舩津丸
ASCOPEでは、「その弁護士の成長ステージに合わせて経験を広げること」を大切にしています。新人の方には、労働事件・人事労務相談・団体交渉など、企業側労働分野をまんべんなく経験できるように配点します。
いきなり放り込むのではなく、全体を見渡しながら「段階を踏んで」成長してもらう設計です。
磯田
配点は、毎月のミーティングで、事件の難易度・負荷状況・その弁護士の得意課題・希望などをできるだけ踏まえて決めるようにしています。
単なる「割り振り」ではなく、「キャリアパスを一緒に描きながら配点する」イメージですね。
髙橋
労働問題は、企業文化や担当者との相性も重要です。
そのため「この会社とは相性が良さそうだ」「このタイプの事件は成長につながる」といった実務的な相性も考慮しています。
結果として、無理なく、でも着実にレベルアップできる配点になっています。
司会
スキルや希望は、どのように反映されているのでしょうか?
舩津丸
日常の会話や面談などを通して、「次は訴訟を増やしたい」「交渉事件を強化したい」といった希望を丁寧にヒアリングしたうえで配点に反映しています。
新人でも「希望を伝えることができる」という文化が根づいているのは、ASCOPEの良さですね。
磯田
中途で入所された方の場合、前職の経験を踏まえて最初は即戦力で活躍しやすい事件を配点しつつ、段階的に新しい領域にもチャレンジしてもらう形が多いです。
結果的に半年〜1年で、担当できる領域が一気に広がります。
髙橋
若手には「挑戦枠」となるような事件も、様子を見ながら振るようにしています。もちろん無茶振りはしません。
統括や先輩弁護士が方針検討・ドラフトレビューをしっかり行うので、挑戦しながらも安全に進められます。
司会
就活生の方は、「孤立しないか」を非常に気にされます。実際のチーム連携はどうでしょうか。
磯田
まず、ASCOPEは「放置されない事務所」だと言えます。事件処理や依頼者との接し方について悩みがあるときに、他の弁護士に直接声をかけたり、チャットワーク(※所内で使用しているチャットツール)で質問したりしやすい環境だと思います。
舩津丸
報告相談は遠慮なくどんどんしてほしい文化です。新人の方でも、先輩弁護士に相談して短時間で解決、なんてことはよくあります。「質問しにくい雰囲気がない」のは本当に強みだと思います。
髙橋
さらに、事件の重要な判断は基本的に複数名でレビューする体制になっているので、一人で抱えこむことはありません。
QUESTION / 03
後輩弁護士への「育成・指導」について
司会
続いてのテーマは「育成・指導」についてです。ASCOPEは若手弁護士が早く戦力化し、かつ安心して働けることで評価されていますが、実際どのような育成方針なのか伺っていきたいと思います。まずはOJTの進め方から教えてください。
― ASCOPEの育成は“伴走型×実戦型”
舩津丸
ASCOPEのOJTは、簡単に言うと「伴走型の実戦主義」です。
若手を会議に同席させたり、書面を一緒に検討したり、企業の担当者とのメールを逐一共有したりと、実務の現場で一緒に動きながら学んでもらうスタイルです。
磯田
新人のうちは「とにかく見て覚えて」ではなく、「なぜこの判断をするのか」を口頭で丁寧に説明する時間をとるようにしています。
ASCOPEは事件数が多いので、自然と経験値がかなりの速さで積み上がると思いますが、理解が追いつくように私たちが横でナビゲートします。
髙橋
しかも、単発のOJTではなく、事件ごと・時系列ごとに学びを言語化して伝えるよう意識しています。
「今日の交渉で重要だった点はここ」「クライアントが本当に求めていたのはここ」など、「実務の勘所」を体系化して共有する文化がありますね。
司会
裁量の与え方はどうでしょうか?若手がどこまで任されるのか気になる方も多いと思います。
― 「丸投げNG、適切な背伸びOK」のバランス
磯田
ASCOPEは裁量を与えるスピードが早いですが、いわゆる「丸投げ」はしません。
書面ドラフトや方針案は若手に考えてもらいますが、必ず統括弁護士がチェックします。「適切な背伸び」ができるように調整している感じですね。
舩津丸
交渉や労働審判の期日も、本人が希望すれば早い段階から同席してもらいます。
ただし、重要局面では必ず統括が事前に作戦会議を行い、進行も一緒に確認します。安心して飛び込める環境といえると思います。
髙橋
裁量の与え方で一番大事にしているのは、「任せる部分」と「支える部分」を明確にすることです。どこまでは若手が判断してよいのか、どのタイミングで統括と相談すべきか、最初にクリアにすることでストレスを減らしています。
司会
フィードバックの量やタイミングも気になるところです。
― 毎日・毎事件で「ミニFB」、定期ミーティングでの「立体的FB」
舩津丸
まず、毎日の事件対応の中で「ミニフィードバック」を大量にします。
メール一本、書面の一文、交渉の一つのやり取りにもフィードバックするので、新人の方は毎日成長を実感できると思います。
髙橋
ASCOPEでは事件ごとに別の統括弁護士のチームにアサインされる仕組みになっているため、自然とさまざまな視点から助言を受ける機会があります。
その結果、特定の弁護士の考え方に偏らず、多面的な視点で実務の判断軸を身につけながら成長できる点も大きな強みです。
司会
最後に、ASCOPEの育成方針を一言で表すとどうなりますか?
― 端的に言うと「伴走型」。でも「実戦に早く立つ」のがASCOPE流。
舩津丸
私はやっぱり「伴走型」だと思います。新人の横に必ず誰かがいる感覚で進めます。
磯田
ただし「手取り足取り」ではなく、実戦の中で育てるタイプでもありますね。依頼者と一緒に悩み、答えを見つける経験を早く積んでもらいます。
髙橋
ASCOPE流にまとめるなら、「伴走型 × 実戦主義 × 適切な背伸び」ここに尽きると思います。放置はしない、でも挑戦はさせる。そんな事務所だと思います。
QUESTION / 04
統括弁護士として「心がけていること」
司会
今回のテーマは「統括弁護士として心がけていること」です。
ASCOPEのチームは「人間関係が良い」「相談しやすい」という声が多いですが、その背景にはどのような工夫があるのか、お伺いしていきます。
― 情報共有・判断基準の透明化・適度な距離感
舩津丸
まず、チームマネジメントで最も意識しているのは「情報の透明性」です。労働問題は判断の背景にある「理由」が重要なので、 「なぜこの方針になるのか」「どのリスクを重視したのか」 を、ミーティングやチャットワークで「言語化して共有」するようにしています。
磯田
私が意識しているのは、「無駄な上下関係を作らないこと」です。統括が威圧的だと、若手は成長スピードが落ちてしまう。むしろフラットに課題を話し合える関係性を作ることが、結果として事件の品質を上げると考えています。
髙橋
また、メンバーの得意・不得意もきちんと把握して、「強みで勝負できる配点」は意識していますね。
個々の強みが活きる組織のほうが、自然と雰囲気も良くなりますね。
― 「いつでも聞いてOK」が空気として根付く仕掛け
司会
ASCOPEでは、弁護士間での「質問がしやすい」「壁が低い」という話をよく聞きますが、意識しているポイントはありますか?
髙橋
私は「先に声をかける」ことを心がけています。
若手に「聞いていいのかな…」と思わせないためには、統括側が積極的にコミュニケーションを取りに行くほうが良いんです。毎朝の小さな会話だけで、相談のしやすさは全然違います。
舩津丸
チャットワークへの返信もできるだけ早く返すようにしていますね。「相談しても返ってこない」状況を作ると、若手は徐々に聞きにくくなってしまう。相談のハードルを常に低く保つための、小さな行動の積み重ねを大切にしています。
磯田
あと、私は「間違いを責めない文化」を意識しています。
若いときは必ずミスをしますし、それは成長のプロセスだと思っています。だからこそ、「なぜそう考えたか」「次はどうすればよいか」を一緒に考えるスタンスを崩さないようにしています。
― 複数統括チェック・議論型レビュー・「独りよがり」を防ぐ仕組み
司会
事件の品質管理についてはいかがでしょう?
舩津丸
ASCOPEの強みは、複数名で事件を担当する体制にあります。労働問題は判断が分かれる論点も多いため、事件によっては統括弁護士だけでなく、関与している先輩弁護士からも意見や視点を直接聞くことができる場面が多いんです。「Aの視点」「Bの視点」「Cの視点」といった異なる考え方に触れることで、最終的な判断の精度が自然と上がっていくと感じています。
磯田
私は、若手が作成したドラフトには必ず理由付けを求めるようにしています。「なぜこの主張にしたのか」「どんなリスクを考えたのか」をセットで確認することで、「論理の筋力」がつくからです。
髙橋
また、方針が難しい事件は(ミニ)内部会議をすぐ開きます。10分だけ集まって方向性を確認するだけでも、若手の安心感は全然違います。 結果的に、「誤った方向へ進まない」ような体制が自然とできていると思います。
QUESTION / 05
ASCOPEの「強み」と「他所との違い」
司会
いよいよ就活生が最も気にしているテーマ、「ASCOPEの強み・他所との違い」です。 働く環境、人間関係、専門性、成長機会など、率直に教えてください。
― “とにかく風通しが良い”。意見を言いやすく、相談がしやすい
舩津丸
まず圧倒的に違うのは人間関係の良さと風通しの良さです。
弁護士同士の壁が低くて、気軽に相談できます。仕事に追われるとピリつく事務所も多いですが、うちは「助け合い」が文化レベルで根付いている感じがありますね。
磯田
チャットワークでのやりとりも含め、「誰かが一人で抱え込む」ということのないよう気をつけています。新人ほど安心して働ける環境だと思います。
髙橋
若手や中途が入ると、自然とみんなサポートに入る雰囲気があります。入所初日から「質問していいんだ」と思える環境は、他所との大きな違いだと思います。
― “即レス文化”と“意思決定の速さ”が企業側業務にフィット
司会
企業側事件ではスピードが命ともいわれます。この点はどうでしょうか?
磯田
企業クライアントは「今日相談したい」「今困っている」ということが多いので、対応が遅くなることのないよう心がけています。
舩津丸
スピードを優先するあまり「雑」な対応をしないことも心がけています。
統括複数名のチェック体制のおかげで、速さと品質を両立できていると感じます。
髙橋
企業側の労務事件は「待ったなし」の局面が多いですが、その急所を理解したチームなので、対応が噛み合うというのも大きいですね。
― 「企業側オンリー」だからこそ経験が深まる
舩津丸
ASCOPEは、企業側・経営者側に特化している事務所なので、労働法務のノウハウが豊富です。
懲戒・ハラスメント・団交・労働審判など、企業実務の中枢に関わる事件ばかりで、経験値の質が段違いです。
磯田
労働問題の実務は、企業側と労働者側では戦い方がまったく違います。
企業側に特化しているからこそ、再現性のある引き出しが増えるのがポイントです。
髙橋
「依頼者の意向を丁寧に汲み取り、それを踏まえて最善の対応方針や戦略を検討する」スタイルも特徴的だと思います。単なる紛争解決ではなく、経営判断に直結する助言が求められるので、弁護士としての総合力が鍛えられます。
― 弁護士と社労士が同じチームで動く「珍しい事務所」
司会
ASCOPEならではの「ワンストップ体制」についてはいかがですか?
磯田
ここはASCOPEの大きな強みです。
弁護士と社労士が同じチームで連携しており、労務相談から労働紛争まで一気通貫で対応できます。企業にとっても非常に価値があるし、若手にとっても学びが多い環境です。
舩津丸
例えばハラスメント調査なら、社労士と弁護士が同席して役割分担しながら動くことも。「ラインの細かい違い」を実務の中で理解できるのは珍しい経験です。
髙橋
弁護士と社労士が相互に協力して業務を行うことで、実務家としての総合力が劇的に上がるので、その点でも非常に魅力があります。
― 入所1年目から“前線”に立てる。挑戦のチャンスが多い事務所
司会
成長スピードについてはいかがですか?若手がどう経験を積めるのか知りたいと思います。
舩津丸
ASCOPEはとにかく若手にチャンスが多いです。
研修用の事件だけではなく、セミナー登壇、企業での研修講師、クライアントとの定例会参加、出張同行など、実戦の場にどんどん出ていけます。
磯田
特にセミナーは多いので、少し慣れると若手でも講師を任せられる機会があります。人前で話すスキルは、企業側弁護士には必須なので、早く身につくのは大きいですよね。
髙橋
企業の担当者との打ち合わせに同席して、「企業がどこで悩んでいるか」を肌で理解できるのも強みです。机上ではなく、実務のリアルで学べるので、成長曲線はかなり急だと思います。
QUESTION / 06
統括弁護士にとっての「こだわり」「やりがい」「モチベーション」について
司会
続きまして、「統括弁護士としてのこだわり・やりがい・モチベーション」についてお聞きします。企業側の労働問題を扱うASCOPEだからこそ感じる「仕事の価値」について、皆さんの個人的な想いも含めて聞かせてください。
― 「法務」ではなく「経営の意思決定」に伴走する
舩津丸
企業側労務の仕事をしていて一番強く感じるのは、「経営の重要な瞬間に立ち会っている」という実感です。社長が真剣な表情で「舩津丸先生、どう進めるべきでしょうか?」と尋ねてくる。その瞬間に、「自分の判断が会社の未来を左右する重み」を感じます。この責任感こそ、私が企業側を専門にする理由でもあります。
磯田
企業側の労務は、単なる法解釈の仕事ではなく、経営の意思決定そのものに影響を与える領域なんですよね。退職勧奨のタイミングや調査の方法、団体交渉の落としどころなど、ひとつ判断を誤ると会社の未来が変わる。そこに責任とやりがいを強く感じています。
髙橋
企業の人事部や経営層と本気で向き合うことで、「この会社の根幹を一緒に支えている」という実感が湧きます。
紛争対応だけでなく、制度改善や社内ルールづくりにも関わるので、弁護士でありながら「経営の信頼できる伴走者」に近い役割を担えていると感じます。
― 「先生に相談してから、会社が変わりました」この一言が何よりの報酬
司会
クライアントからの評価について、印象深い経験はありますか?
舩津丸
私は、社内の仕組み作りについての相談に対応した事件で、「問題社員対応の仕組み」を変えた会社があります。仕組みが変わったことで現場の負担が大きく軽減され、社長から「先生の助言がなければ、事業が続いていませんでした」と言われた時、弁護士冥利に尽きると思いました。
― 信頼が蓄積し、「伴走者」として頼られるようになる
司会
リピートや紹介が増えていくことについてはどう感じていますか?
舩津丸
正直、これが一番嬉しいですね。リピートは「信頼の証」だと感じていますし、紹介をいただいた時は「この人たちに任せれば大丈夫」と評価されたという証明なので、何より励みになります。
磯田
企業側労務は、継続的に伴走する事件が多いので、長い付き合いの中で関係が深まっていきます。「次の店舗展開の相談がしたい」「新制度を作りたい」など、成長フェーズの相談にも関わっていけるのが嬉しいですね。
髙橋
私が印象的だったのは、担当者が転職した後、その担当者の紹介で転職先の企業から依頼をいただいたことです。
「人を通じて広がる信頼」を感じて、胸が熱くなりました。
― 労働問題は「人と組織を支える仕事」。だからこそ面白い。
舩津丸
企業側労務は、企業と社員の未来を左右する重要な仕事です。
その重みが、強いやりがいにつながっています。
磯田
法律だけでなく、人や組織に深く関わる仕事をしたい人にとって、ASCOPEはうってつけの事務所だと思います。
髙橋
法務の観点から企業の発展を支える仕事に携われる仲間をお待ちしています。ぜひ、ASCOPEで実務の最前線を経験してください。
QUESTION / 07
「1日の働き方」や「ワークライフバランス」について
司会
続いて、応募者からの関心が最も高い「1日の働き方・ワークライフバランス」についてお伺いします。出社時間や忙しさ、メリハリ、プライベートとの両立など、とても気になる部分だと思いますので、率直に教えてください。
― 「柔軟性が高く、無駄な長時間労働がない」のがASCOPE流
舩津丸
ASCOPEでは、弁護士それぞれが業務の状況に合わせて柔軟に働ける環境が整っています。ミーティングも必要な確認を簡潔に行うスタイルなので、業務に集中しやすいですね。
磯田
業務量には波がありますが、日々のスケジュール管理を大切にしているので、メリハリを持って働けるのが特徴だと思います。
髙橋
中途で入った弁護士からよく聞くのは、「無駄な作業を発生させない」という意識が全員に共有されているということです。忙しい時期はしっかり取り組みますし、逆に一区切りついた日は自分の判断で早めに帰ることもできるなど、メリハリを大切にできる環境だと感じています。
結果だけでなくプロセスも重視し、「どうすればより効率的に質の高い対応ができるか」を全員で考えるカルチャーがあるのは、ASCOPEならではの魅力だと思います。
― 忙しい時期はあるが、チームで分散し「1人で抱えない」
司会
労働事件は波があると聞きますが、忙しさはどうでしょうか?
磯田
確かに、労働審判対応が集中したり、ハラスメント対応などで大規模な調査が必要になったりすると忙しくなります。ただ、ASCOPEはチーム配点なので負荷が偏りにくいのが大きいですね。
舩津丸
忙しい事件が来ても、統括がすぐにメンバー間で配分を調整します。
「1人がパンクする」という状態が起きないように、常に全体の事件量を見ています。
― 「集中するときは集中、帰るときは帰る」が当たり前の文化
司会
勤務のメリハリについてはいかがでしょう?
舩津丸
事件に集中する時間はしっかり確保しますが、その分、雑談やランチの時間は和やかです。メリハリがついているから、集中力も続くんですよね。
磯田
ASCOPEでは、「周りの弁護士が残って仕事をしているから自分もなんとなく帰りづらい」といった雰囲気はなく、無駄にダラダラ居残りせざるをえないということはありません。
髙橋
外出や出張で移動がある日もありますが、普段とは少し環境が変わることで、気持ちがリフレッシュできる時間になることも多いですね。
業務の進め方は各自の裁量に任されているので、移動中に資料を確認する人もいれば、あえて頭を整理する時間に充てる人もいます。
そうしたメリハリを自分でデザインできる柔軟さも、ASCOPEの良さだと思います。
― “弁護士だから無理”ではなく、“働き方が選べる事務所”
司会
プライベートとの両立はどうでしょう?
磯田
私は小さな子どもがいるので、保育園の送迎で出退勤時間を調整していますが、全く問題なく働けています。ASCOPEは育児への理解度が高く、急な呼び出しにも協力してもらえます。
髙橋
ASCOPEには、プライベートの時間も大切にしたいという考えを持つ弁護士が多いと感じます。
休日対応が必要な場面や電話当番の日もありますが、予定のない日はしっかり休んだり、趣味や家族との時間を充実させたりと、オンとオフの切り替えを自分でコントロールしやすい環境だと思います。
QUESTION / 08
ASCOPEでのキャリアパス
司会
次のテーマは、修習生から特にニーズの高い「キャリアパス」についてです。
ASCOPEに入るとどのように成長していくのか、1年目の仕事内容から統括弁護士までのステップを、舩津丸先生・磯田先生・髙橋先生にお伺いしたいと思います。
― ロールプレイではなく、本物の実務で育つのがASCOPEの特徴
舩津丸
1年目は、まず幅広い業務に同席・参加して経験を積むところから始まります。労働審判・団体交渉・ハラスメント調査・就業規則の改定など、企業側労務の“現場”をまんべんなく経験します。
磯田
新人だからといって「見学だけ」ではなく、書面のドラフト作成、メールの草案作成、企業との打ち合わせ同席など、実務にしっかり関わってもらいます。
もちろん統括が横でサポートするので、安心して挑戦できます。
髙橋
ASCOPEは事件数が多いので、1年目でも数十社の企業と関わる経験が積めます。これが、他の事務所と大きく違うところかもしれないですね。
― 一気に成長が可視化される“大きな飛躍期”
司会
2〜3年目はどういった業務を任されるようになりますか?
磯田
2年目くらいになると、自分がメインで担当する事件が増えてきます。
企業の担当者から直接相談が来ることも多くなり、「企業の外部顧問」としての自覚が芽生える時期ですね。
舩津丸
交渉の場で意見を述べたり、労働審判で部分的に主張を担当したり、「主体性を持って動ける範囲」がぐっと広がるのがこの時期です。
髙橋
また、社内のハラスメント調査や人事労務相談事件でも、若手が中心になって対応するフェーズが増えます。2〜3年目での成長速度は、体感で「倍速」です。
― “個の腕前”ではなく“チームを率いる力”が評価される
司会
さらにその先、シニアアソシエイトなどへのステップアップについても教えてください。
舩津丸
シニアアソシエイトになると、リーダーとして動く場面が増えます。若手のレビュー、クライアントとの全体進行、最終判断の補助など、責任範囲が広がっていきます。
髙橋
企業側労務の専門性を深めれば、「労務・人事・経営を横断したアドバイザー」として、企業からの信頼が飛躍的に高まります。
統括弁護士は、そのプロとして最前線に立つポジションだと思っています。
― “育成に本気の事務所”だからこそ成長が早い
司会
スキルアップの仕組みについても教えてください。
磯田
ASCOPEはレビュー文化が非常に強く、書面・意見書・メールの草案など、あらゆるアウトプットに対して細かくフィードバックします。
これが成長スピードに直結しています。
髙橋
さらに、若手はセミナー登壇や企業研修の補助にも積極的に参加してもらいます。「人に説明する力」は実務で非常に重要なので、自然と鍛えられます。
QUESTION / 09
事務局との連携・ワンチーム文化について
司会
次のテーマは「事務局との連携」です。
ASCOPEは「事務局との距離が非常に近い事務所」として評判がありますが、その理由をぜひ聞かせてください。
― 「弁護士が専門業務に集中できる」仕組みが整っている
舩津丸
ASCOPEの大きな魅力のひとつは、事務局のサポート体制がとても丁寧で、安心して仕事を進められる環境があることだと思います。初回相談の事前ヒアリングや迅速な記録作成、裁判所との事務連絡、提出書類の確認など、実務の重要な基盤を支えてくれており、弁護士が本来取り組むべき部分に集中できるよう整えてくれている存在です。本当に心強いですね。
磯田
事務局は、単に「作業を担当する」だけではなく、事件の背景や状況を理解したうえでサポートしてくれるので、非常に助かっています。
細かな調整や事務手続きの段取りなど、「チームとして動く」意識で支えてくれるおかげで、業務がスムーズに進む場面が多いです。事務局の存在は想像以上に大きいと日々感じています。
髙橋
私が特に感じるのは、事務局の「プロ意識」。「事務仕事」という枠にとどまらず、「事務所全体のサービス品質を上げる」という意識で動いているので、弁護士との信頼が自然と深まっています。
― フラットで話しやすい。「頼む・頼まれる」の関係が心地よい
司会
事務局との距離感、コミュニケーションのしやすさについてはいかがですか?
磯田
とにかくフラットです。弁護士から一方的に「お願いする」という感じではなく、事務局から業務改善のアイデアがでることもあります。
舩津丸
例えば、書類のテンプレート改善や事件管理の方法など、「もっとこうしたら効率的」と事務局から提案が上がってくることもあります。一緒に「事務所を育てる」感覚がありますね。
髙橋
また、困っている人がいたら弁護士・事務局関係なく自然と助けに行く文化があります。チャットワークでも雑談や情報共有が活発で、「ワンチーム感」がとても強いと感じますね。
QUESTION / 10
ASCOPEへ入所を希望される方へのメッセージ
司会
いよいよ最後のテーマです。
ASCOPEへ入所を希望される方に向けて、ぜひ「本音」のメッセージをお願いします。どんな方と働きたいか、ASCOPEで描けるキャリア、そして最後にひと言、力強いメッセージをいただければと思います。
― 「誠実に向き合える姿勢」と「成長を楽しめる素直さ」があれば大丈夫
舩津丸
ASCOPEに来てほしいのは、まず誠実にクライアントと向き合える方ですね。企業側の労務事件は、会社の経営に直結する重い決断が多いので、そこに真正面から向き合う姿勢が大切だと思います。
磯田
私は、素直さと柔軟さがある方に来てほしいです。労務の世界は奥が深く、毎日新しい論点と出会います。その変化を楽しめる人は本当に伸びます。
髙橋
あとは、チームで働くことが好きな方ですね。ASCOPEは「ワンチーム」文化が根づいているので、一人で抱え込むタイプより、仲間と協力しながら進めたい方にぴったりです。
― 「弁護士」の枠を超え、企業の成長に深く関わる専門家へ
司会
ASCOPEを選ぶことで、どんなキャリアが描けるのでしょうか?
磯田
企業側労務のプロとして、労働事件、団体交渉、調査、制度設計、予防法務など、「企業の人と組織に関わるあらゆる領域」を経験できます。これほど幅広く実務を積める環境は、なかなかありません。
舩津丸
さらに、若手でも、セミナー登壇や企業内研修の講師、クライアントの経営会議への参加、全国の企業への出張対応など、第一線の場に立つ機会があります。依頼者に寄り添いながら、現場で信頼を築いていける弁護士として成長できる事務所だと思います。
髙橋
統括弁護士をはじめ、将来的に担える役割の幅が広いことも魅力だと思います。事件対応だけでなく、チームマネジメントや若手育成、組織運営にも関わる機会があり、弁護士としての「総合力」を磨いていける環境だと感じています。
― ここでなら「人として・弁護士として」確実に成長できる
舩津丸
ASCOPEは、挑戦と安心のバランスがとれた最高の環境です。本気で成長したい方、ぜひ一緒に働きましょう。
磯田
企業の人と組織の未来を守る仕事に興味があるなら、ASCOPEは必ずあなたの力になります。「企業法務+人事労務」両方に精通する弁護士になれる事務所です。
髙橋
「この事務所で働けて良かった」と思ってもらえる自信があります。
あなたのキャリアを、ここASCOPEで一緒に作り上げましょう。心からお待ちしています。
司会
思いのほか長時間になったにも関わらず、最後まで熱いメッセージをありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
今回の座談会では、統括の先生方がとてもリラックスした様子でお話しされていて、終始あたたかい雰囲気に包まれていました。
日ごろからよく連携されているからこそ、互いの言葉を自然に受け止め、補い合いながら話が進んでいく様子がとても印象的でした。
それぞれ担当されている分野は違っていても、「どうすればクライアントの力になれるか」という気持ちが共通しているのだと、改めて感じました。
実務の話になると真剣で、育成やチームの話になると優しい表情になる、その切り替えもASCOPEらしい魅力だなと思います。
特に、後輩の成長を皆さんがあたたかく見守り、必要なときはしっかり寄り添うというお話が心に残りました。
「育てる」というより、「一緒に歩いていく」という表現がぴったりで、ASCOPEのいいところがぎゅっと詰まっているように感じました。
これから79期・80期…と新しい仲間が増えていく中でも、今日のような柔らかい空気や、気軽に相談し合える関係がずっと続いていくのだろうなと思います。
事務局としても、先生方の姿勢に元気をもらいながら、これからのASCOPEを一緒に支えていけるのがとても楽しみです。