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2023.02.28

軽天工の石綿ばく露作業について

中野 博喜

本稿執筆者 中野 博喜(なかの ひろき)
法律事務所 ASCOPE所属弁護士

県立浦和高校 卒業
中央大学法学部 卒業
東京大学法科大学院 修了

私は皆様から信頼が得られるよう、どんなことにも正面から向き合って、全力を尽くします。
小さなことと考えて1人で抱えこむことなく、どんなことでもご相談ください。

軽天工の石綿ばく露作業について

〈目次〉

第1.はじめに

第2.軽天工の具体的な業務内容とアスベスト被害

 1.軽天工の業務内容と石綿粉じんばく露

 2.軽天工が石綿粉じんにばく露する原因となっていた可能性がある建材

第3.救済制度等

 1.労災補償・石綿被害救済法・建設アスベスト給付金等

 2.建材メーカーに対する損害賠償請求について



第1.はじめに

 いわゆる建設型アスベスト被害において、損害賠償請求が認められる可能性があるとされる職種のうち、「軽天工」について、①どのような作業において石綿粉じんにばく露する機会があったとされているか、②軽天工が石綿粉じんにばく露する原因となっていた可能性がある建材について説明します。
 加えて、軽天工の業務により石綿ばく露による健康被害に遭われた方々において利用可能性のある救済制度等についても説明いたします。

第2.軽天工の具体的な業務内容とアスベスト被害

1.軽天工の業務内容   かつて、天井や壁に用いられていた木材を規格化された鋼材に置き換えるようになり、それを軽量天井(軽天)と呼ぶようになり、そのような軽天工事を行う方のことを軽天工と呼んでいます。
 軽天工の作業は、天井においては、アンカー打ち込み、つりボルト取りつけ、鋼材をつる、壁においては、ランナー取り付け、スタッド取りつけといった内容が一般的と思われます。しかし、アスベスト救済被害の場面においては、アスベスト被害に遭われた本人がどのような作業をしていたかという事実を判断することになります。以下に、軽天工について判断された裁判例を紹介します(大阪地方裁判所平成28年1月22日判決・判タ1426号49頁)。

 軽天工は、天井の躯体から吊り下げられた吊りボルトにハンガーを取り付け、そのハンガーに架けた野縁受けに野縁を取り付ける天井下地工事や、天井仕上げ工事等を行う。・・・鉄骨造建築物の場合には、間仕切りや躯体内壁下地、天井下地の取付工事が耐火被覆工事を行った後に行われるため、間仕切り等を取り付けていく際、吹付け材を「ケレン棒」と呼ばれる金べらで削ぎ取る作業等が必要となり、その際にそぎ落とす等した石綿を含有する吹付け材に起因する石綿粉じんに曝露し、石綿を含有する耐火被覆板による耐火被覆がなされている場合には、間仕切りや躯体内壁下地を耐火被覆板にビス止めする際、耐火被覆板から発生した石綿粉じんに曝露する。なお、鉄筋コンクリート造建築物の場合であっても、防音や結露防止のため壁や天井に吹付け材が吹き付けられていることがあり、この場合にも、前記と同様に、間仕切り等の施工の際、石綿粉じんが発生し、これに曝露する。

2.軽天工が石綿粉じんにばく露する原因となっていた可能性がある建材
 上記の裁判例を参照すると、軽天工の方が、石綿粉じんにばく露する原因となったアスベスト含有建材として、以下のものが考えられます。ただし、上述したとおり、実際にどのような作業(軽天工事以外の作業を含めて)に従事したか、どのような建材を用いたかというところがポイントとなります。以下は裁判例において認められた一例としてご参照ください。
 耐火被覆材
 石綿含有吹付け材など


第3.救済制度等

1.労災・救済法・建設アスベスト給付金等   軽天工の業務に従事したことによりアスベスト被害に遭われた方々につきましては、他の建設作業者と同様に、①労災制度による補償、②石綿健康被害救済制度(石綿救済法)による給付、③国に対する損害賠償請求訴訟、④建設アスベスト給付金制度、⑤使用者(又は一定の要件を満たす元請企業)に対する損害賠償請求訴訟、⑥建材メーカーに対する損害賠償請求訴訟など救済手続の利用や訴訟手続をすることができる可能性があります。以下では建材メーカーに対する請求について説明いたします。

2.建材メーカーに対する損害賠償請求について   軽天工として従事され石綿粉じんばく露による健康被害に遭われた方の救済方法の1つに、建材メーカーに対する損害賠償請求が考えられます。
 ただし、軽天工の方が扱われた建材にアスベストが含有していたことが認められたとしても、具体的にある期間や場所において、具体的にどの建材を使用していたかまで特定することは困難です。そこで、裁判所は、相当程度の市場シェアを有する建材メーカーの建材であれば、軽天工の方が従事した複数の現場のうち、どこかの建設現場では当該メーカーの建材を使用したと認めることができるというシェア論を採用しました(令和3年5月17日最高裁判所第一小法廷判決においてもこの考え方は維持されています。)。
 この考え方を採用することで、建材メーカーに対しても損害賠償請求の途が開かれました。

【弁護士への相談について】

 軽天工に従事されていた方は、軽天工事以外の作業にも従事されていたことも考えられます。したがって、軽天工としてだけでなく、実際に作業された具体的作業から、石綿粉じんばく露作業を検討する必要がございます。先に見たように、建材メーカーへの請求に当たっては、担当した現場・作業が多ければ多いほど、シェア率の高い建材メーカーの建材に触れる機会があったと考えられるため、アスベスト被害の救済手続に際して、いつ頃にどれくらいの現場でどのような作業していたかは、重要な事情となります。
 また、これらの事情が具体的に特定できない場合であっても、労災や救済法に基づく申請など、請求可能なお手続を一緒に検討させていただきますので、お気軽に弁護士までご相談ください。

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