ラオスにおける マイクロファイナンス事業の設立について 

ラオスにおける

マイクロファイナンス事業の設立について

 

 

預貯金取扱マイクロファイナンス事業の設立について

 

1.営業許可の申請

預貯金取扱マイクロファイナンス事業を行うことを希望する個人又は法人は、工商局にて企業の登記登録をしなければならない。また、企業登記簿の取得後、ラオス銀行にて営業許可を申請しなければならない。

預貯金取扱マイクロファイナンス事業の営業許可を申請する者は、ラオス銀行が定めた手数料を支払わなければならない。

2.営業許可の申請書類

1.ラオス銀行が定めた様式に基づいて作成された申請書
2.企業登記簿のコピー
3.フィジビリティスタディ
4.株主の履歴書
5.株主の住居所証明書、犯罪歴証明書、身分証明書若しくは戸籍登録書のコピー(ラオス人の場合)、またはパスポートコピー(外国人の場合)
6.権限を有する管理機関からの許可証(外国人株主の場合)
7.取締役の犯罪歴証明書、履歴書、資格証明書、及び職務証明書
8.株主の資力証明書
9.法人である大株主の、外部の監査会社による直近2年分の資力審査報告書
10.株主名簿及び持ち株比率
11.株主間の出資契約書
12.株主が法人の場合は、本件設立又は出資に関する株主会の決議
13.定款
14.経理、監査、人事、サービスの提供など、組織の管理運営及び事業活動に関する規定やマニュアル
15.社内管理、並びにラオス銀行への報告業務を保証するためのテクノロジーの利用に関する技術的証明書
16.登録資本金や出資金の資金源証明書
17.ラオス銀行が出資用の資金源について審査することに承諾する証明書
18.オフィスが所在している村の役場からの承認を受けたオフィス所在地証明書及びその地図

3.営業許可の発行の審査について

上記の2に定めた営業許可の申請書類をすべて受理した後、ラオス銀行は30日以内に審査し、当該申請に対し、「原則的な承認」又は「拒否」の返答をする。

ラオス銀行は、申請者が以下の要件を満たした場合に「原則的な承認」を下す。

1.十分、かつ適法な資金を有すること
2.フィジビリティスタディの内容が十分、合理的、かつ実現可能なものであること
3.株主、並びに取締役は、窃盗罪、詐欺罪、横領罪、文書偽造罪、収賄罪、贈賄罪、汚職犯罪、マネーロンダリング犯罪の前科がないこと
4.取締役は金融、銀行又はその他関連の知識や経験を有すること

ラオス銀行は、「原則的な承認」を下した後、営業許可の申請者が下記の追加要件を満たした場合にのみ、90日以内に営業許可を発行する。

1.登録資本金をすべて納入したこと
2.営業許可の発行に必要な人員構成の要件を満たしていること
3.適切な所在地、必要な器具、運営システム、監査システム、内部業務管理システムを完備することなど、営業開始を保証するためのビジネス準備ができていること

営業許可の申請者が合理的な理由により上記の要件の何れかを満たせない場合、ラオス銀行は準備期限を1回、最大90日のみ延長させることができる。期限が延長されたにもかかわらず、申請者が必要要件を満たすことができない場合、ラオス銀行は営業許可の発行の拒否及びその理由について申請者に通知する。

4.外国資本について

外国の個人又は法人は預貯金取扱マイクロファイナンス事業について、ラオスの個人又は法人と共同して、全株式の51%分まで投資することができる。

5.登録資本金

預貯金取扱マイクロファイナンス機関の登録資本金300億キープ以上でなければならない。
現物出資の場合、登録資本金全額の30%以下でなければならない。登録資本金は事務所のメンテナンス、器具の購入、及び運営資金として使用することがで   きる。
ラオス銀行は政府の承認を取得した上で、最低登録資本金額を変更するができる。
預貯金取扱マイクロファイナンス機関が登録資本金額を変更したい場合はラオス銀行に申請しなければならない。

6.定款

預貯金取扱マイクロファイナンス機関の定款は、株主会、及びラオス銀行の承認を得たものでなければならない。定款には下記の主要内容が含まれること。

1.機関の名称及び所在地情報
2.目的
3.登録資本金
4.株式の種類及び株式数
5.株主の氏名、住所、及び国籍
6.組織構成及び役員構成
7.取引情報の保管方法
8.労働管理
9.会計システム及び会計年度
10.配当金
11.紛争解決
12.清算
13.功績者に対する優遇及び違反者に対する処分

7.営業許可証

預貯金取扱マイクロファイナンス機関の営業許可証は、事業活動中においてずっと使用することができる。なお、他人への譲渡、または使用させることはできない。
預貯金取扱マイクロファイナンス機関名称は営業許可証に定められている通り、「預貯金取扱マイクロファイナンス機関」の文言から始まるものでなければならない。
預貯金取扱マイクロファイナンス事業者はラオス銀行の規定に基づき手数料を支払わなければならない。

8.年間管理費

預貯金取扱マイクロファイナンス事業者ラオス銀行の規定に基づき年間管理費を支払わなければならない。

9.預貯金取扱マイクロファイナンス機関支店又は営業所の設立

預貯金取扱マイクロファイナンス機関はラオス銀行の許可を取得した上で、支店や営業所を設立することができる。

支店を設立するための主な要件は以下の通りである。

1.財務状況が健全で、かつ資金力が十分であること
2.基準を満たした管理体制及び内部監査体制を整えていること
3.効率的な管理を行うためのテクノロジーを整えていること
4.安全保障にかかわる規則を遵守していること
5.基準を満たした、かつ十分な人材、組織体制、及び事務所を有していること

支店や営業所の設立手順については、ラオス銀行が別途規定に定める。

10.住所変更について

本社、支店又は営業所の住所を変更したい預貯金取扱マイクロファイナンス機関はラオス銀行の承認を得なければならない。また、住所変更後はウエブサイト又は他の方法により公表しなければならない。

以上

 

出典

2022年6月20日付、第184号のマイクロファイナンス機関に関する首相命令