ラオスビジネス短信

ラオス、カンボジアへの買電の増加へ
ラオスは、カンボジアの国境地域の発展に伴う電力のニーズに応じて、売電量を増加する可能性がある。
チャンパサック県コン郡にあるハット変電所のスタッフ、ブンルート・ケオパスック氏によると、昨年からチャンパサック県コン郡にあるドンサホン水力発電所から260mWの電力がカンボジアのストゥントレン州に送られているとのこと。また、「送電線のキャパシティーに余裕があることもあって、今後カンボジアへの買電の量が増加する可能性があるが、具体的にどれくらいになるかは現時点では明確でない」と話している。
投資総額が5億ドルに及ぶドンサホン水力発電所の出資比率は、マレーシアの会社であるMega First Corporation Berhadが80%、及びラオス電力公社(ELECTRICITE DU LAOS)が20%となっている。チャンパサック県パクセー市から150 km離れたところに所在し、流込み式でメコン川を完全にブロックしないように設計されている。建設は2016年から始まり、昨年に完成した。
ラオスの電力事業は近年から急速な発展をなり遂げている。2005年には、全国に9つの発電所しか稼働せず、その発電能力がわずか680mW、また、年間の発電量が3,237 gWhしかなかったが、現在は78か所の発電所が稼働し、発電能力は9,972mWに及び、年間52,211gWhの電力の発電が可能になっている。
(出典:Vientiane Times Newspaper ISSUE 231, November 26, 2020 )

ラオス初の石油精製工場が稼働開始、石油の輸入削減へ
2020年11月30日、中国・ラオスのによる合弁事業として、ラオス初となる石油精製工場が正式に稼働を開始した。
当石油精製工場は、首都ビエンチャン郊外に位置する経済特区のサイセッター総合開発区内にヘッドクォーターを置き、2015年から建設が進められていた。投資総額は20億ドルに及び、出資比率はYunnan Construction and Investment Holding Group Co., Ltd.が80%、ラオス燃料公社が20%となっている。
当石油精製工場の処理能力は3フェーズに分けられ、第1フェーズでは年間100万トンの処理能力を持ち、ガソリン、ディーゼル、ジェット燃料、LPGの生産を行う。第3フェーズのフル稼働になると、年間300万トンの処理能力になる。投資者によると、当工場における石油精製は、国際的に認められている技術を用いることにより、求められている品質基準を満たした石油製品を生産することができるとのこと。
当石油精製工場の稼働により、ラオスで石油製品の安定供給に伴うエネルギーセキュリティの確保、石油の輸入削減、及び2万人以上の雇用機会の創出が期待されている。
(出典:Vientiane Times Newspaper ISSUE 234, December 1, 2020 )