ラオス労働力人口について

ラオス労働力人口について

 ラオス計画投資省国立統計局は2022年、政府が経済・社会発展計画、並びに労働者に関する政策の策定、また、企業がラオスでの投資の計画・決定を行う際に欠かせない参考情報となる労働力人口について調査し、統計を公表した。
 下記、国立統計局が公表した統計をまとめたものである。

1.ラオスの人口

 ラオスの人口は2022年時点で約7.4百万人(女性3.8百万人 = 50.6%)である。約5百万人は地方地域(アクセス道路のない場所も含めて)に生活している。人口が最も多い地方はサワンナケット県(14.8%)、ビエンチャン都(13.3%)、及びチャンパサック県(10.4%)である。他方、人口が最も少ない地方はサイソムブン県(1.5%)、及びセコン県(1.8%)である。
人口の年齢別では、0歳~4歳の人口は10%、5歳~14歳は17.7%、15歳~24歳は17.7%、25歳~64歳は48.7%、及び65歳以上は6%となる。
また、学歴について、学校に通っていないのは20%、小学校未卒業は37.9%、小学卒は16.5%、中学卒は10.9%、高校卒は5.8%である。

2.労働可能な年齢に達した人口
 
 労働可能な年齢である15歳以上の人口は5.3百万人(女性51.2%)で、全人口の71.6%を占めている。その約3.5百万人は地方地域に住んであるが、労働可能な年齢に達した人口の最も多い県はビエンチャン都(14.6%)、サワンナケット県(14.6%)、及びチャンパサック県(10.3%)であり、他方最も少ない県はサイソムブン県(1.3%)とセコン県(1.6%)である。

3.労働力人口

 就業者と失業者を含めた労働力人口は2.5百万人(女性1.1百万人)で、全人口の34.1%を占めている。25歳~64歳の労働力人口は78.7%を占め、65歳以上の労働力人口は3.2%未満である。

 ▶ 就業者

 就業者は2.4百万人(女性1.1百万人)であり、全労働力人口の97.6%を占めている。なお、労働可能な年齢の人口で見る場合はその45.9%に過ぎず、非労働力人口の方が多く(52.9%)占めている。
就業者の業種別では、農業が56.8%、サービス業が32.0%、工業が10.2%である。また、職業別では、農業・林業・水業で働いている人が最も多く、全就業者の49.6%を占めている。さらに、サービス事業又は販売事業の店員として働いている人は16.5%である。
就業者の内、自営業者が34%、被雇用者が33.5%、無賃金で家族の事業を手伝っている者は31.2%、使用者・雇用者は1.3%である。

 ▶ 失業者

 失業者は61.2万人(女性39.3万人)であり、労働力人口の1.1%を占めている。失業者の過半数(3.3万人)は地方地域で暮らしている。
2022年の失業率は2.4%(女性2.8%、男性1.9%)である。15歳~24歳の失業率が5.2%であり、25歳以上の失業率が1.8%である。

4.非労働力人口

 非労働力人口は2.8百万人(女性1.2百万人)で、労働可能年齢の人口全体の52.9%を占めている。その70%以上は地方で暮らし、多くは自給自足で生活している。非労働力人口が最も多い地方はサイソムブン県(75.3%)とポンサリー県(72.8%)である。一方、もっと少ないのはビエンチャン都(39.2%)である。

5.教育や訓練を受けず、就業していない若者

 15歳~24歳の若者の内、教育や訓練を受けず、就業していない若者は51万人(女性27万人)であり、若者全体の38.7%を占めている。その多く(78.6%)は地方地域で暮らしている。

6.非正規労働者

 就業者のほとんどは非正規雇用で、全体の86.4%(女性46.2%)を占めている。非正規労働者の1.3百万人は地方地域で暮らし、76万人は都会で暮らしている。また、業種別では、農業・水業で働いている者は最も非正規雇用率が高く、96.9%に達し、さらに工業では86.2%、サービス業では68.7%となる。非正規労働者の97%以上は教育を受けていない、又は小学校を卒業していない人である。

7.労働者の平均所得

 労働者の平均月次所得は2.5百万キープである。性別では、女性2.7百万キープ、男性2.1百万キープとなる。また、地域別では、都会が2.5百万キープ、地方が2.4百万キープとなる。
業種別の平均所得では、工業が3百万キープ、農業が2.5百万キープ、サービス業が2.3百万キープである。