欧州連合、ラオスのスマート農業に150万ユーロを提供

欧州連合、ラオスのスマート農業に150万ユーロを提供

 欧州連合（EU）は、気候変動に対応し、脆弱な女性や若者の農民グループのニーズに対応するためのスマート農業を推進するプロジェクトをラオスで実施するために150万ユーロを承認した。このプロジェクトのための覚書（MOU）は、昨日、ビエンチャンで、ラオスのOxfamの国別ディレクターであるThasphorn Butaling氏と、ラオス国立農林研究所（NAFRI）所長であるChanthakhone Boualaphanh氏によって署名された。

 このプロジェクトは、サワンナケット県とルアンプラバン県における7つの郡の15の村で実施される予定である。このプロジェクトは、特にClimate Smart Agriculture（CSA）に関連する技術、知識、スキルの提供を通じて、合計300,000の農家と100,000の他の人々に直接利益をもたらし、収量、生計、栄養、食糧安全性の改善も期待されている。

 このプロジェクトの主な目的は、女性、若者、地方当局、脆弱な農民のグループの能力を強化し、CSAの革新と実践を推進することである。プロジェクトの活動には、中央および地方レベルの関係者の間でCSAの実践を推進するための能力を構築することが含まれている。

 ラオスは、特に気候変動の影響を受けている。気温の上昇により、気候パターンの季節変動が引き起こされ、洪水の増加と長期の干ばつが引き起こされている。現在、耕作可能な土地の72％が米の栽培に使用されており、ラオスの人口の70％以上が生計のために農業に依存しており、これらの人々の26％が貧困に暮らしている。

 多くの農民は、土地と森林をさらに劣化させ、気候変動の影響を悪化させる非持続的な農業実践に従事している。これにより、人口の大部分が食糧不安の悪化にさらされ、ラオスの貧困削減と持続可能な開発目標（SDGs）の達成を停滞させ、あるいは逆転させる可能性がある。

 ラオス政府は、特に2025年までの農業開発戦略と2030年のビジョンを含む、より持続可能な実践を導入し、農業の価値連鎖を強化し、生産性を向上させることにより農民の収入を増加させるための政策、戦略、計画を作成した。しかし、これらは、機関間の連携の不一致、資源の不足、特に女性の貧しい農民が地方および国家レベルでの農業政策作成に参加する機会が限られているため、しばしば不十分に実施されている。

 このプロジェクトは、中央および地方レベルの関係者の能力を構築し、CSAの実践についてのアドボカシーキャンペーンを効果的に行い、CSAの知識を強化し、農村の農民が気候変動の影響への適応と緩和のために持続可能にCSAの実践を支援することにおいて、重要な役割を果たすことができる。

出典：Vientiane Times