ラオス中央銀行、金利を10%に引き上げ

 ラオス中央銀行(BOL)は、短期融資の金利を年間8.5%から10%に引き上げると発表した。この決定は、国内外の経済変動に対応し、継続する経済的挑戦に対処するための措置である。

 この金利引き上げは、ラオス国内の高インフレ率や通貨キープの急激な減価を背景にしている。2023年には、キープはタイバーツに対して29%、米ドルに対して21%減価した。このような通貨の弱さは、輸入価格の上昇や外貨不足を引き起こし、国民の生活費の増加を招いている。

 ラオスの経済は、観光業や輸送・物流サービスの改善、外国投資の増加により、2023年にはGDP成長率が2.7%から3.7%に回復すると予測されている。しかし、キープの価値低下とインフレの影響で、家庭の消費支出が減少し、多くの世帯が貧困に陥るリスクが高まっている。

 新たな金利引き上げにより、借入コストが増加し、投資戦略や全体的な経済活動に影響を与えることが予想される。またBOLは、経済の安定を図るために債務再交渉を進め、収入増加を図ることが重要であると強調している。

 この決定は、ラオスの経済成長を支え、インフレの抑制に向けた重要な一歩とされている。

出典:
– Bank of Lao PDR
– World Bank