ラオス、衛星技術を活用した炭素クレジットプロジェクトを開始
ラオスは、Carbon Credit Lao(CCL)およびCarbon Registry Thailand(CRT)と提携し、17万ヘクタールに及ぶ炭素クレジットプロジェクトを衛星技術で進める新たな協定を締結した。7月26日にビエンチャンで署名されたこの覚書(MOU)は、東南アジア初となる高度なAI衛星技術を用いた炭素クレジットデータの不正防止に焦点を当てている。このプロジェクトは、REDD+イニシアティブの一環として森林減少と劣化からの排出削減を目指すものである。
ラオスは、気候変動との戦いにおいて重要な役割を果たす新たなプロジェクトを立ち上げた。CCLとCRTが共同で進めるこの取り組みは、ラオス政府との協力のもと、炭素クレジット市場においてより高い透明性と信頼性を確保するために、AI衛星技術を導入するものである。これは、ラオスが持つ約16万ヘクタールの森林を対象としたプロジェクトであり、東南アジアにおける革新的な試みとなる。
7月26日にビエンチャンで行われた署名式には、農林省のトンパット・ヴォンマニー副大臣が出席し、「ラオスが地域をリードしてリモートセンシング技術を炭素クレジットの取り組みに活用することは誇りであり、これは未来への重要な一歩である」と述べた。
このプロジェクトでは、SentinelやLandsatといった高解像度の衛星やLiDAR技術を用いて、炭素クレジットの計算の正確性を確保し、詐欺を防ぐことが目指されている。
この取り組みは、ラオスだけでなくASEAN地域全体における炭素クレジットの測定方法に新たな基準を設けるものであり、持続可能な開発に向けた大きな前進となる。CRTのチャラッチャイディレクターは、「このプロジェクトは炭素クレジットの透明性を高める新しい時代の到来を示しており、CRTのプレミアム炭素クレジットの価値が世界に認められることになる」と述べ、炭素クレジット市場での価格が1クレジットあたり通常の3.50米ドルから40米ドル以上に達する可能性を示唆した。