ラオスの最低賃金について

ラオスの最低賃金について

 ラオスの最低賃金制度は、1991年に初めて導入されて以来、物価の上昇に伴い定期的に改正されてきた。最新で改正された最低賃金額は、月当たりLAK 1,100,000(約 USD 125)と、2018年4月25日に決定され、同年5月1日から施行された(最低賃金の改正に関する労働社会福祉の通達、No. 1121/MLSW, Dated 25/04/2018)。
 下記の2に定める労働で、1に定める条件を満たす労働者に対して、上記のLAK 1,100,000/月の最低賃金が適用される。

1 最低賃金とは、月26日以下、週6日以下、及び日8時間以下で 働く労働者に対して使用者が支払わなければならない最低の給与又は労賃である。ただし、残業代、一時金、通勤手当、食事手当、宿泊手当、送迎費やその他の事業体の福利厚生は含まれないものとする。

2 最低賃金は、生産業、ビジネスもしくはサービス業に従事する技術の無い、未熟練、専門資格を持っていない社会経済全体の労働者、インフォーマルセクター労働者や家庭内の勤務者が対象となる。ただし、別途規則のある外国機関の労働者は対象外である。

 また、上記の2以外の労働者について、以下のように定められている。
 ・技術のある労働者、熟練者、もしくは一定期間の労働経験のある労働者で、労働経験証明書を持つ者、又は専門資格をもつ者、又は当該事業体において労働法が定める試用期間を含めて満9 ヶ月労働した者については、最低賃金を上回る給与または労賃をもらえなければならない。
 ・使用者は、毒物、化学薬品を扱う業務、放射線、伝染病にさらされる業務、臭気、煙のある環境での労働、穴や地下トンネル内、水中、高所での労働、酷寒猛暑な場所での労働、恒常的に振動する道具を扱う労働、遠隔地、食事や宿泊が困難な場所での勤務など、健康に危険のある業務又は生活に困難な業務に従事する労働者に対し、上記の最低賃金に15%以上を上乗せした額を支払わなければならない。