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本稿執筆者
遠藤佑成(えんどう ゆうせい)
法律事務所 ASCOPE所属弁護士
2025.09.08
裁判例紹介:アスベスト粉じんの飛散する建物内で長期間にわたり作業を行っていた被災者が中皮腫を発症し、その後死亡したことについて、当該建物の所有者に工作物責任が認め…
裁判例紹介:アスベスト粉じんの飛散する建物内で長期間にわたり作業を行っていた被災者が中皮腫を発症し、…
ポイント ①アスベスト素材を含有した吹付材が使用された建物について、昭和62年2月からその危険性が一般に認識されていたものと認められることから、遅くとも同時点以降には、当該建物は通常有すべき安全性を欠く状態にあったものと判断されました。 ②また、被災者が石綿粉じんにばく露し、石綿関連疾患に罹患したことを苦にして自殺した場合、当該疾患への罹患が原因となって適応障害を引き起こし、さらにそれが自殺を起因した場合には、石綿粉じんへのばく露と被災者の死亡との間に因果関係が認められること・・・ ポイント ①アスベスト素材を含有した吹付材が使用された建物について、昭和62年2月からその危険性が一般に認識されていたものと認められることから、遅くとも同時点以降には、当該建物は通常有すべき安全性を欠く状態にあったものと判断されました。 ②また、被災者が石綿粉じんにばく露し、石綿関連疾患に罹患したことを苦にして自殺した場合、当該疾患への罹患が原因となって適応障害を引き起こし、さらにそれが自殺を起因した場合には、石綿粉じんへのばく露と被災者の死亡との間に・・・
本稿執筆者
篠原 雄一郎(しのはら ゆういちろう)
法律事務所 ASCOPE所属弁護士
2025.09.01
裁判例紹介:石綿ばく露作業に従事した造船会社の労働者に発生した原発性肺がんに関する業務起因性が認められた事例(大阪高判平成28年1月28日判時2304号110頁、…
裁判例紹介:石綿ばく露作業に従事した造船会社の労働者に発生した原発性肺がんに関する業務起因性が認めら…
ポイント ①1審(神戸地裁)は、亡Aが罹患した肺がんについて業務起因性を認めることはできないとして、原告の請求(遺族補償給付不支給処分の取消請求)を棄却しました。これに対し、控訴審(大阪高裁)は業務起因性を認め、原告の請求を認容しました。 ②石綿ばく露作業に従事した労働者に発生した原発性肺がんに関する業務起因性についての判断枠組みが提示され、控訴審では、特に亡Aの石綿ばく露の程度について具体的な検討がなされた結果、原告の請求が認められました。 〈目次〉 第1.事案の概要 第2・・・ ポイント ①1審(神戸地裁)は、亡Aが罹患した肺がんについて業務起因性を認めることはできないとして、原告の請求(遺族補償給付不支給処分の取消請求)を棄却しました。これに対し、控訴審(大阪高裁)は業務起因性を認め、原告の請求を認容しました。 ②石綿ばく露作業に従事した労働者に発生した原発性肺がんに関する業務起因性についての判断枠組みが提示され、控訴審では、特に亡Aの石綿ばく露の程度について具体的な検討がなされた結果、原告の請求が認められました。 〈目次〉・・・
本稿執筆者
遠藤佑成(えんどう ゆうせい)
法律事務所 ASCOPE所属弁護士
2025.08.19
裁判例紹介:アスベスト製品の製造工場において製造作業に従事していた原告ら3名について、うち2名が作業に従事していた昭和33年8月以前の期間は被告会社に石綿関連疾患…
裁判例紹介:アスベスト製品の製造工場において製造作業に従事していた原告ら3名について、うち2名が作業…
ポイント ①原告らは、石綿製品の製造業務に従事していたところ、この業務中に石綿曝露があったと認定されました。 ②安全配慮義務の前提として予見可能性が必要であるところ、それがどの時期から被告会社に生じていたかについては、当時の国内外の知見の蓄積や、被告が必要な情報に接することができた時期等を詳細に認定して判断がなされました。 ③また、具体的に肺機能の低下がみられない原告について、原告の主張した精神的苦痛を含む損害を認めることはできないと判断されました。 〈目次〉 第1.事案の概・・・ ポイント ①原告らは、石綿製品の製造業務に従事していたところ、この業務中に石綿曝露があったと認定されました。 ②安全配慮義務の前提として予見可能性が必要であるところ、それがどの時期から被告会社に生じていたかについては、当時の国内外の知見の蓄積や、被告が必要な情報に接することができた時期等を詳細に認定して判断がなされました。 ③また、具体的に肺機能の低下がみられない原告について、原告の主張した精神的苦痛を含む損害を認めることはできないと判断されました。 ・・・
本稿執筆者
村上 将紀(むらかみ まさき)
法律事務所 ASCOPE所属弁護士
2025.08.13
裁判例紹介:在日米軍基地で冷蔵庫や空調装置の機械工として業務に従事したことが原因で退職後に胸膜中皮腫に罹患し死亡したとして、国に使用者としての責任が認められた事例
裁判例紹介:在日米軍基地で冷蔵庫や空調装置の機械工として業務に従事したことが原因で退職後に胸膜中皮腫…
ポイント ①冷蔵庫や空調装置の設置・修理・解体作業を行った際、断熱材に含まれるアスベストが粉じん化し、これを吸引したとして、これらの作業が石綿ばく露作業であると認定されました。 ②当時、横須賀基地内では、湿潤化、局所排気装置の使用、防護衣・マスクの着用、安全教育、健康診断といった措置が講じられていなかったこと等を根拠に、雇用主である国の安全配慮義務違反が認定され、国に損害賠償を命じる判決が出ました。 〈目次〉 第1.事案の概要 第2.主な争点 第3.判決 第4.争点に対する判・・・ ポイント ①冷蔵庫や空調装置の設置・修理・解体作業を行った際、断熱材に含まれるアスベストが粉じん化し、これを吸引したとして、これらの作業が石綿ばく露作業であると認定されました。 ②当時、横須賀基地内では、湿潤化、局所排気装置の使用、防護衣・マスクの着用、安全教育、健康診断といった措置が講じられていなかったこと等を根拠に、雇用主である国の安全配慮義務違反が認定され、国に損害賠償を命じる判決が出ました。 〈目次〉 第1.事案の概要 第2.主な争点 第3.判・・・
本稿執筆者
氷海 匠弘(ひょうかい なるひろ)
法律事務所 ASCOPE所属弁護士
2025.08.04
裁判例紹介:石綿粉じんばく露に関する事実を立証するための文書についての文書提出義務の存否が問題となった事例(抗告審:大阪高決平成25年6月19日労判1077号5頁…
裁判例紹介:石綿粉じんばく露に関する事実を立証するための文書についての文書提出義務の存否が問題となっ…
本決定のポイント 本決定は、原告が石綿製品を扱う工場における勤務の過程で石綿に曝露した事実の有無や、被告の責任の有無等が主要な争点となった事案において、原告から被告の所有する文書についての文書提出命令の申立てが行われた際に、どのような文書であれば文書提出命令の申立てが認められるのかを判断しました。その判断の中で、裁判所は、文書に証拠調べの必要性があり、その記載内容が「技術又は職業の秘密」に該当せず、文書の表示および趣旨の特定がなされていると認められた文書のみ、文書提出命令・・・ 本決定のポイント 本決定は、原告が石綿製品を扱う工場における勤務の過程で石綿に曝露した事実の有無や、被告の責任の有無等が主要な争点となった事案において、原告から被告の所有する文書についての文書提出命令の申立てが行われた際に、どのような文書であれば文書提出命令の申立てが認められるのかを判断しました。その判断の中で、裁判所は、文書に証拠調べの必要性があり、その記載内容が「技術又は職業の秘密」に該当せず、文書の表示および趣旨の特定がなされていると認められ・・・
本稿執筆者
柏木 利直(かしわぎ としなお)
法律事務所 ASCOPE所属弁護士
2025.07.28
裁判例紹介:じん肺管理区分3ロの決定及び健康管理手帳を受け、その後肺がんで死亡した労働者ついて、労働者の死亡は石綿ばく露、石綿肺を理由とする肺がんではないとして、…
裁判例紹介:じん肺管理区分3ロの決定及び健康管理手帳を受け、その後肺がんで死亡した労働者ついて、労働…
ポイント 約33年にわたって「はり工」として、Y1社及びY2社以下(以下、Y1社とY2社を合わせて「被告両社」といいます。)に勤務していたAについて、 ①作業現場に石綿が含まれていた可能性は否定できないとした一方で、医師の診断において、Aに胸膜プラークはなく、喀痰等から石綿小体が確認されたとの記載もないことから石綿ばく露が認められず、また、不整形陰影も認められないことから石綿肺にり患していたとは認められないとされたことから、Aの死亡は、石綿ばく露等を理由とする肺がんではない・・・ ポイント 約33年にわたって「はり工」として、Y1社及びY2社以下(以下、Y1社とY2社を合わせて「被告両社」といいます。)に勤務していたAについて、 ①作業現場に石綿が含まれていた可能性は否定できないとした一方で、医師の診断において、Aに胸膜プラークはなく、喀痰等から石綿小体が確認されたとの記載もないことから石綿ばく露が認められず、また、不整形陰影も認められないことから石綿肺にり患していたとは認められないとされたことから、Aの死亡は、石綿ばく露等を・・・
本稿執筆者
篠原 雄一郎(しのはら ゆういちろう)
法律事務所 ASCOPE所属弁護士
2025.07.14
裁判例紹介:石油コンビナートの加熱炉の補修、保温工事等の現場において現場監督業務に従事したことが原因で、悪性胸膜中皮腫に罹患し死亡したとして、使用者の責任が認めら…
裁判例紹介:石油コンビナートの加熱炉の補修、保温工事等の現場において現場監督業務に従事したことが原因…
ポイント ①亡A(元従業員)は、石油コンビナートの加熱炉の補修、保温工事等の現場において現場監督業務に従事していたところ、この業務中に石綿ばく露があったと認定されました。 ②安全配慮義務の前提として、使用者が認識すべき予見義務の内容は、生命・健康という被害法益の重大性に鑑み、安全性に疑念を抱かせる程度の抽象的な危惧であれば足り、必ずしも生命・健康に対する障害の性質、程度や発症頻度まで具体的に認識する必要はないという立場に立って判断がなされました。 ③安全配慮義務の内容が具体的・・・ ポイント ①亡A(元従業員)は、石油コンビナートの加熱炉の補修、保温工事等の現場において現場監督業務に従事していたところ、この業務中に石綿ばく露があったと認定されました。 ②安全配慮義務の前提として、使用者が認識すべき予見義務の内容は、生命・健康という被害法益の重大性に鑑み、安全性に疑念を抱かせる程度の抽象的な危惧であれば足り、必ずしも生命・健康に対する障害の性質、程度や発症頻度まで具体的に認識する必要はないという立場に立って判断がなされました。 ③安・・・
本稿執筆者
氷海 匠弘(ひょうかい なるひろ)
法律事務所 ASCOPE所属弁護士
2025.07.07
裁判例紹介:原子力発電所内で勤務していた孫請企業の従業員がアスベスト粉じんに被災したことについて、現場に対する具体的な指揮監督を行っていた元請企業及び下請企業に対…
裁判例紹介:原子力発電所内で勤務していた孫請企業の従業員がアスベスト粉じんに被災したことについて、現…
本判決のポイント ①シール材(アスベスト含有製品)の危険性について抽象的な危惧を有することが認識できた被告らについて、シール材の危険性に対する予見可能性があったことを認めました。 ②注文者が、請負人の雇用する労働者から実質的に雇用関係に基づいて労働の提供を受けているのと同視しうる状態が生じていると認められる場合には、その間に雇用契約が存在しなくとも安全配慮義務を負う場合があるとし、被告らの一部が安全配慮義務を負うことを認めました。 〈目次〉 第1.事案の概要 第2.重要な争点・・・ 本判決のポイント ①シール材(アスベスト含有製品)の危険性について抽象的な危惧を有することが認識できた被告らについて、シール材の危険性に対する予見可能性があったことを認めました。 ②注文者が、請負人の雇用する労働者から実質的に雇用関係に基づいて労働の提供を受けているのと同視しうる状態が生じていると認められる場合には、その間に雇用契約が存在しなくとも安全配慮義務を負う場合があるとし、被告らの一部が安全配慮義務を負うことを認めました。 〈目次〉 第1.事案・・・
本稿執筆者
矢口 裕崇(やぐち ひろたか)
法律事務所 ASCOPE所属弁護士
2025.06.30
裁判例紹介:労働者が注文先の工場等での作業で石綿粉じんにばく露したことが原因で石綿肺により死亡等したとして、雇用会社の責任が認められた事例(岡山地判平成25年4月…
裁判例紹介:労働者が注文先の工場等での作業で石綿粉じんにばく露したことが原因で石綿肺により死亡等した…
ポイント Y1社に雇用されていた元従業員らは、当時、Y1社が工場や加工場を有しておらず、注文先の他社の工場等において、保温断熱工事を行っていたところ、石綿粉じんにばく露したという事案において、 ②雇用会社であるY1社について、Y1社は、元従業員らを雇用していたのであるから、その雇用契約の付随義務として、信義則上、その生命および健康等を危険から保護するよう配慮すべき安全配慮義務等を負うにもかかわらず、Y1社がそのような義務を怠ったと認定され、Y1社の責任が認められました。 ②・・・ ポイント Y1社に雇用されていた元従業員らは、当時、Y1社が工場や加工場を有しておらず、注文先の他社の工場等において、保温断熱工事を行っていたところ、石綿粉じんにばく露したという事案において、 ②雇用会社であるY1社について、Y1社は、元従業員らを雇用していたのであるから、その雇用契約の付随義務として、信義則上、その生命および健康等を危険から保護するよう配慮すべき安全配慮義務等を負うにもかかわらず、Y1社がそのような義務を怠ったと認定され、Y1社の責・・・
本稿執筆者
川島 孝紀(かわしま たかのり)
法律事務所 ASCOPE所属弁護士
2025.03.06
アスベスト建材(「石綿含有塗料」、「石綿含有接着剤」、「石綿含有シーリング材」)について
アスベスト建材(「石綿含有塗料」、「石綿含有接着剤」、「石綿含有シーリング材」)について
<目次> 1 はじめに 2 石綿含有塗料について 3 石綿含有シーリング材について 4 石綿含有接着剤について 1 はじめに 建設現場等における業務中にアスベスト(石綿)にばく露したことによって、アスベスト関連疾患を発症された方については、労災補償や石綿健康被害救済法による給付、建設型アスベスト給付金の申請、建材メーカーに対する損害賠償請求といった救済方法が考えられます。 本記事においては、アスベスト関連疾患について各種救済方法をご検討されている方に向けて、アスベストが含・・・ <目次> 1 はじめに 2 石綿含有塗料について 3 石綿含有シーリング材について 4 石綿含有接着剤について 1 はじめに 建設現場等における業務中にアスベスト(石綿)にばく露したことによって、アスベスト関連疾患を発症された方については、労災補償や石綿健康被害救済法による給付、建設型アスベスト給付金の申請、建材メーカーに対する損害賠償請求といった救済方法が考えられます。 本記事においては、アスベスト関連疾患について各種救済方法をご検討されている方・・・
本稿執筆者
森﨑 蓮(もりさき れん)
法律事務所 ASCOPE所属弁護士
2024.12.17
局所排気装置について
局所排気装置について
目次 1 はじめに 2 局所排気装置の機能、用途、種類について 3 最高裁判所判例における局所排気装置の説明 4 局所排気装置をめぐる現在の法令整備について 5 石綿工場における石綿健康被害について考えられる救済制度等のご紹介 1 はじめに 石綿工場等の業務中における石綿ばく露が原因で、石綿関連疾患(石綿肺、中皮腫など)を発症された方については、労災補償や石綿救済法の申請といった救済制度の活用のほか、国または勤務先に対する損害賠償請求といった方法が考えられます。 国または・・・ 目次 1 はじめに 2 局所排気装置の機能、用途、種類について 3 最高裁判所判例における局所排気装置の説明 4 局所排気装置をめぐる現在の法令整備について 5 石綿工場における石綿健康被害について考えられる救済制度等のご紹介 1 はじめに 石綿工場等の業務中における石綿ばく露が原因で、石綿関連疾患(石綿肺、中皮腫など)を発症された方については、労災補償や石綿救済法の申請といった救済制度の活用のほか、国または勤務先に対する損害賠償請求といった方法が考・・・
本稿執筆者
水谷 由記(みずにた ゆき)
法律事務所 ASCOPE所属弁護士
2024.12.06
造船所構内で下請企業の従業員として働いており、じん肺管理区分決定を受けた従業員に対し、じん肺管理区分決定の基礎として用いられているエックス線画像よりも精密なCT画…
造船所構内で下請企業の従業員として働いており、じん肺管理区分決定を受けた従業員に対し、じん肺管理区分…
〈判決のポイント〉 ①石綿を用いた作業に長年従事しており、じん肺管理区分決定を受けていた従業員に対し、同決定から従業員のじん肺罹患を推認し、そして、推認を覆す事情が認められないことから、従業員のじん肺罹患を認定しました。 ②被告会社の下請従業員であり、直接の雇用関係にない従業員であっても、元請会社が下請従業員に対して、人的側面・物的側面において支配を及ぼしており、特別な社会的接触の関係に入っていると認められる事情があることから、被告会社に信義則上の安全配慮義務違反を認めました・・・ 〈判決のポイント〉 ①石綿を用いた作業に長年従事しており、じん肺管理区分決定を受けていた従業員に対し、同決定から従業員のじん肺罹患を推認し、そして、推認を覆す事情が認められないことから、従業員のじん肺罹患を認定しました。 ②被告会社の下請従業員であり、直接の雇用関係にない従業員であっても、元請会社が下請従業員に対して、人的側面・物的側面において支配を及ぼしており、特別な社会的接触の関係に入っていると認められる事情があることから、被告会社に信義則上の安全・・・
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